大河ドラマ「光る君へ」で庚申待ちのシーンが放送されました!

身代り申、庚申さん

「平安時代から貴族が庚申の日を待って静かに過ごし、三尸の虫を恐れて夜を明かし、

 今でいう安心、安全、健康を祈っていたのです」

庚申待とはどのような行事なのでしょうか。

庚申待は、庚申(さるわたり)の日に神仏を祀(まつ)って徹夜をする古代中国起源の行事です。人間の体の中には三尸(さんし)の虫というのがいて、その人の言動をいつも監視しているんです。そして、60日に一度やってくる庚申の日の夜にこの三尸の虫が天に昇り、日頃の行いを天帝に報告しちゃうんですよ。そこで寝ずに夜を明かして、三尸の虫が天帝のところへ報告に行かないようにしているんです。

――当時はよく行われていたのでしょうか

貴族の日記などに少し記載がありますので、庚申待は平安時代中期にも行われていました。ただしその詳細までは書かれていませんし、当時がどうであったのかは、確かなことはわかりません。庚申待に関する記録が多く残るようになるのは、鎌倉時代以降なんですね。例えば室町時代になると惣(そう)という村の自治組織ができるようになりますが、この頃になると村人の気持ちをまとめるために庚申待が使われていたようです。

――60日に一度、毎回みんなで徹夜するのは大変だと思うのですが、翌日の仕事などはどうしていたのでしょうか。

担当者がいます。本当は全員でやったほうがいいのでしょうが、全員が徹夜をしたら翌日が回らなくなるので、代表して戸主(こしゅ)が行うことが多かったようです。またコミュニティーというのがポイントで、例えば10軒の集落で庚申待を行う場合、5軒ずつで交替しながら行うなど、わりと輪番制だったみたいですね。

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